【電気設備設計】駐輪場の明るさはどうあるべきか?

 地球上でもっとも移動効率が良いエコな乗り物が自転車ということをご存じだろうか。そのエネルギー効率は動物と機械を合わせた中で最も低い。車が普及した現代の日本でも広く使われているのも納得できる。今回、はその自転車を置く駐輪場の電灯設備の設計依頼.

移動のエネルギー効率(カロリー/g/km)

 駐輪場というと、イメージするのは下記のような感じだと思う。何となく無機質で暗い感じ。この写真はまだ昼なのでそこまででもないが、夜中に人気が居ない中、駐輪場に行くのは女性だと怖さを感じるだろう。

駐輪場のイメージ

 電灯を設計する設備設計としては明るさを確保するために、電灯を増やす事で対応はできる。長年使われてきたルーメンやルクスという明るさの単位は聞いたことがある人も多いと思う。駐車場だと90lx程度の設計値にする。

しかし、ルーメンやルクスという明るさ以外に最近大切にされる指標があるのはあまり知られていない。

それは、Feu値という値「1.5×色モード境界輝度の0.7乗」
日本の電機メーカーの雄Panasonicが2011年に発表した指標だ。下記の画像を見ると、普通の人は左の方が明るいと答えるが、実は床の照度(ルクス)で表現すると右の空間の方が明るい。何が違うかといえば、天井や壁の明るさ。人は見たいところの明るさだけでなく、空間全体で明るさを判断しているのだ。

そう、天井、壁、床の色をを白色にすることで、同じ照明を使っても全然印象が違う。今回担当させてもらう案件も、壁と天井は白で塗られていて、こういった配慮がなされているんだと思う。建築と設備のコラボが必要な時代が来ているのかもしれない。

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