【会社経営】眼鏡屋さんもコンサルだと思った話

 今かけている眼鏡は12年前に近くの小さな地元の眼鏡屋さんで買ったものだ。12年間レンズを1回交換しただけで、何も不具合なく使えている。新しく買う理由もないのだが、さすがに12年経ったので、もう1つデザイン性が違うものを買おうかなと思って、そのお店に伺った。

 店主の方は55~60歳くらいの職人肌の方。でも、不愛想ではなく、笑ったときの笑顔が何とも言えない、愛嬌がある方だ。眼鏡を買いに来ましたというと、どんなものをお探しですか?と質問をもらった。

私:今のフレームが細い金属なので、最近はやっている黒ブチ系がいいかなと思っているんですけど。

店主:黒ブチですか。樹脂のものだと結構重たいですけど何個かかけてみましょう。

・・・10個ほど試す

私:樹脂だと結構重いですね。

店主:樹脂と同じような黒ブチに見えるデザインで、金属のものもありますよ。例えばこれ、フランス人のデザイナーがアメリカの会社がデザインして、日本で作っている眼鏡なんですけどどうですか?

・・・かけてみる

私:これいいですね!これにします。

物の15分程度で今後また10年近く使うであろう体の一部である眼鏡が決まった。自分で決めたようで、思い返すと30年以上眼鏡に携わってきた店主の中では最初から答えは決まっていたんじゃないかと思う。でも、最初からこれがいいと言って出されていたら、何か押し売りみたいで買わなかったかもしれない。

 最近はどんな課題にも答えらしきものはチャットGPTの方が正解に近いものを出してくれる。ただ、絶対的な正解が無い世界の中で、人間がそれを正解だと認識して、実行する決断をするには、正解ではない事を実行するプロセスが重要なんだなと思った。

 悩み→答え→疑問
 悩み→トライ→答え→確信

 コンサルは相手に答えを出させるのが職業であるが、答えが欲しいという人間の欲求に、試してみたら?といえるのは、心を持った人間だけなんだろうなと思った。

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