【設備設計】吹抜部への給湯機設置可能個数の計算方法
吹き抜けのある共同住宅を受注した。給湯器の設置について吹き抜けがあれば開放廊下という認識で問題ないだろうと思っていたが、吹き抜け部への排気は可能な量が独自の計算方法で決まっている(黒本 P339)その計算方法について説明する。
1)吹き抜けの定義
下記の図の様に 採光のために設ける屋根のない吹き抜け状の空間。
2)参考物件
今回の物件は下記の様な感じ。かなり小さな吹抜になっている。ここに2台分の排気をしようとしたが、結果としては1台分しか排気が出来ない計算となった。
ちょっとマニアックな話なので、続きは弊社webにて紹介します。
(計算シートも無料で公開しています)
3)必要諸元と計算式
調査が必要なのは下記の緑ハッチング下部分の諸元となる。具体的に紹介していこうと思う。
① α:流量係数
スリットがあるかないかで決まる。スリットが無い場合は0.7となる
②S:実給気口面積
各階で給気口がある場合はその面積を足して合計値を出す
③H:吹抜高さ
給気の下端から上端までとなる
④L:吹抜外周長さとA:最小面積
下記の図の通りとなる
⑤ω:最下層開口比率
下から0.2Hの開口÷全体の面積
下記の図でいうと薄いグレーでハッチングした面積の割合
4)計算結果
今回の物件で計算すると184.8kwとなった。20号のガス給湯器のガス消費量が50kwくらいだが、3台しか排出できないとなる。
ただ、ここで、同時使用率という考え方があり、台数が増えると係数が下がっていく。
上記を加味して計算すると、6台分までは設置ができる計算となった。
5)まとめ
・吹抜部に排気するときは排気量の計算が必要
・排気可能量は開口面積、吹き抜け面積、高さなど諸元を集める必要がある
・排気可能量を出した後は設置したい機器の容量×同時使用率で限界を算出